(2009年08月15日)
2009年8月15日発行のJAGAT info8月号「部課長奮戦記」第5弾として、
東京支店 髙田 篤が執筆しました。
「部課長奮戦記」(本文)
謹言:青年よ、少しは大志を抱け!
東京支店 支店長 髙田 篤
さすがに単身赴任暮らしも1年を過ぎると、余裕らしきものも生まれてきます。最近では、朝から掃除、洗濯、アイロン掛けと、家事をテキパキとこなし、皇居へジョキングに出掛けるのが休日の日課に。つい先日までは、休日の暇つぶしに東京中を散歩していたのですが、やっぱり一人ではどこへ行っても寂しいもの。ここは一つ、折からのマラソンブームに便乗し、大衆化することで安らぎを得ようと、ジョキング仲間のフリをしながら、皇居ランナーの皆さんの間をさわやかに快走。と思ったのですが、長年、苦楽をともにしてきた不摂生。足は上がらないのに息は上がる。前を走る背中は遠のくのにゴールには近づかない。皇居周囲の定番コースを1周したら、もうヨレヨレで爽快(そうかい)さのみじんもありません。健康とは、若さとは、何と尊いものなのでしょうか。
ところで、僕は東京に赴任してくる前、大阪本社の制作部門に所属していました。毎年、春先には大勢の学生さんが就職活動で来社され、僕も一応、管理職でしたから採用面接を担当していました。まぁ本命かどうかは別として、当然、印刷会社の制作部門を志望して来ているわけですから、皆さんそれなりに芸術系の大学や学科で学び、それなりに作品集をまとめています。しかし、大抵の方が学生生活については雄弁に語るものの、入社してからの展望を問うと、途端に無口になってしまうのです。悩んだ揚げ句、技術を習得して後輩にそれを教える仕事をしたいなどと、真顔で語り始める始末。「えっ、クリエイティブじゃないの?」と違和感を覚えつつ、問いただすこともなく、流してしまっていたのですが…。
東京支店に来てからは、営業が仕事の中心になったこともあり、営業部の社員と接する機会が多くなりました。特に若手の社員は、実にものわかりが良く、協調性があり、大人であることに驚かされます。それが厳しい社会環境の中を生き抜くすべなのか、育ちがいいのかわかりませんが、口ごたえや暴走することもなく、素直に上司の指導を聞き、それに精いっぱいこたえようと努力しています。まさに理想的な部下なのでしょう。が、その無難なまとまり方がどうにも物足りないのです。厳しいこの時代だから、僕はあえて言いたい、「その仕事、本当に楽しいの?」と。
僕たちの印刷業界は、今、大きな過渡期を迎えており、印刷営業も請負型(競合型)から提案型(創造型)への転換を迫られています。つまり、ベテラン営業が、今までに経験のない営業スタイルで仕事を開拓し、なおかつ、部下を指導していかなければならないのですから、それはもう大変。でも、考えてみれば、経験がないのは部下も同じ。逆に若くて既成の観念がない分、頭も柔らかく、身体も元気。しかも何より、新しいことは面白い。されば、若い社員を第一線に送り込む方が得策だと考えるのは当然。若さと元気が必要なのです。こんなチャンスは二度とないですよ、青年。ものわかりの良い大人を演じてないで、少しは大志を抱かないと、大衆の中に身を隠していては、何も楽しいことはないですよ。一か八か(それはまずいか)スパートを掛けて、独走してみたらどうですか? もちろん、われわれ中年も黙ってはいません。「俺の首をかっ切ってみろ!」と一喝し、堂々の返り討ちにしてやりましょう。印刷業界、お楽しみはこれからです。
さて、今月号で僕の隔月連載もめでたく無事終了となりました。社長命令で始まったた半年間の執筆内職もあと数行。何はともあれ、任務を全うできたことが何よりだとポジティブに捉えています。ありがとうございました。
末筆ながら、皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。